アイマス ずれずれ考察 ループについて

「そういうゲームじゃないから」という先入観から、アイマスの世界がループしている事は忘れがちだが、1つのゲームにおいて、同じ時間を複数回プレイするというのはつまりその世界における時間がループしているということに他ならない。
一般的に「世界がループしている」という設定において、物語に重要な作用をもたらすのは「ループの外にいる存在」である。世界をメタ視点から観察していたり、ループ内の世界において世界がループしている事に気付いていたりする。彼らが「ループしている事に気付いていない存在」に対してアクションを起こし、ループごとに違った結果を得られたり、ループの終焉を迎えたりする(トゥルーエンドだったりする)というのがループ設定におけるベタな展開である。
アイマスの場合について考えてみる。

ループの外にいる存在について

まずは「プレイヤー」が挙げられる。冒頭に書いたとおり、ループについては忘れがちだが、ループの中にいるアイドル達に様々な作用をもたらす根本的な存在は「プレイヤー」である。
また、アイマスにおいて「プレイヤー」は「プロデューサー」の役割をこなすわけであるから「プロデューサー」もループの外にいる存在である。アイドルの育成を重ねる事でプロデューサーのランクが上がり、次以降のループに持ち越されることからも明らかである。加えて、アクセサリや衣装の類はプロデューサーの持ち物ということになっているため、ループを超えて持ち越されている。
更に、特殊な例として「社屋」がある。アイドル育成の実績を重ねると社屋のグレードが上がり、Pランク同様次以降のループに持ち越される。また、これは即ちプロダクションの収益の高も付随していると考えられる。

ループの中にいる存在について

まずはアイマスの主役であるアイドル達が考えられる。彼女達は何度育成しても、育成開始時にはプロデューサーとは初対面であるという挨拶をする。これは彼女達がループの中にいる存在であり、ループ世界における基本である「前のループのことは覚えていない」というルールに基づいた対応であろう。
また、彼女達のファンも同様にループの中にいる存在である。100万・200万とファンを集めても、一旦活動停止となったアイドルのことなどすっかり忘れてしまい、どう見ても同じ子がアイドルとして再デビューした時には以前デビューしていたという経歴など完全に忘れ去っている。何度も同じ曲のCDが発売されているにも関わらず、嬉々として買っていることから以前の記憶がないことは明らかである。
特殊な例としては「高木社長」が挙げられる。最初の1回目のプレイ(プレイヤーにとって最初のプレイが、あの世界における最初のループであるかどうかは分からない)では初対面であるという対応だったが、2回目以降は初対面の対応ではなくなる。しかし、プロデューサーとアイドルの関係については初対面であるように扱っている。

以上から考えられる事

実はループしていない説

いきなり冒頭の前提を覆すが、ループしていない可能性もある。
実はアイドル達はクローンであり、ファンの中のファンたる彼らには見分けが付いている。社長は当然事情を知っているので、プロデューサーとアイドル達が初対面であるという対応をしている。また、プレイヤーと同一であるはずのプロデューサーの動揺もうかがえないことから、彼女達がクローンであるということに気付いていないのはプレイヤーだけということになる。
この場合、活動停止した後の彼女達はどうなっているのだろうか。高槻家のような貧乏家族がいくつもあるとは考えにくく、高槻家にいる「やよい」はデビューの度に別の「やよい」と入れ替わっている可能性が高い。プロデューサーに車を買ってくれると約束したやよいは今、期間工として働いているかもしれない。プロデューサーと新しいプロダクションを立ち上げると約束した律子は今どこに…

やっぱりループしてるよ説

先代クローンがどうなっているか考えたくないのでやっぱりループしているということにしたい。
この場合の彼女らは幸せである。アイドルとしてデビューし、華やかな舞台に立ち、惜しまれつつ引退という夢を何度でも叶えている。
また、ファンも多くの者は幸福である。同じCDを何度も買っているはずなのに、「ハピマテはアレンジが違うから」というような言い訳も必要ないのである。なぜなら、以前買ったCDは消え、その代金も戻っているはずだから。
因みに、ループの中で就職したり首になったり失恋したり自殺未遂をしたりした者は次のループでもそれを繰り返すことになるであろう。アイドルのファンとは業の深い生き物である。
ニートであり親の金でファンをしている者だけが完全に幸福なループを体験しているのである。