魔王が世界征服できないとかなんとか

面白そうだし、色々思うところがあるので絡んでおく。ドラクエ3を例に考えます。
そもそも魔王の目的が不明瞭。人間を圧制で支配したいんだろうか。バラモスはテドンを滅ぼしているが、人間を支配して労働力にしたいのなら無闇に人間を殺すのは得策ではない。見せしめに一つ滅ぼしたといったところだろうか。しかし、その先に侵攻していないのはお粗末である。やる気あんのかバラモス。
wikipediaによると、バラモスは上の世界を「支配」しようとしているらしいが、ゾーマは「全てを滅ぼす者」を自称しているらしい。少しでもやる気があるなら近所にあるリムルダールラダトームくらいは滅ぼしていてほしいものである。ラダトーム周辺は配置モンスターも強力なので可能であったはず。ということは、もしかするとザコモンスターは魔王の目的を知らないのではないだろうか。これでは滅亡も支配も進むわけがない。テドンはバラモス自ら滅ぼしたのかもしれない、つくづくモンスター使いの下手な男である。
また、この話題では必ず「アリアハン周辺のザコが弱いのが悪い」とされるが、ジパングヤマタノオロチがいなければジパングから勇者が生まれたかもしれないし、海のザコがもっと弱ければポルトガの勇者が海を渡ってやって来たかもしれない、ドラクエ3はたまたま手薄だったアリアハン出身の勇者の視点で語られたというだけである。そもそも、モンスターの配置を魔王が行っているのかという疑問もある。各地に野生のモンスターがいるだけではないのか。
更に言うと、魔王の情報収集能力がどの程度であったかという疑問がある。「アリアハンで勇者が誕生」という情報をいち早く受け取っていれば何かしら対策はできたかもしれない。が、バラモスに会うまで自らバラモスの刺客を名乗るようなモンスターに出会わなかった気がする(その辺は4の1章で「ピサロの手先」が出てくる辺り、ピサロの方が優秀っぽい。勇者の村も滅ぼしてるし)。まあ、魔王の命令も伝わっていないのだから、情報収集なんぞできるわけがないと考えるのが妥当か。
また、魔王はモンスターを自在に配置できたのかどうかもわからない。バシルーラはともかく、ルーラを使えるモンスターはいない(「バシルーラルイーダの酒場に飛ぶじゃん」という意見もあるだろうが、モンスターに使ったバシルーラでモンスターはアリアハンに現れていないはず。恐らくバシルーラは自分が雇用された場所に飛ばされる呪文なのだろう)。バラモス城から徒歩でアリアハンまで通勤せよということだ、俺だったらそんな仕事辞めてやる。そもそも、世界の各地に自在にモンスターを配置できるのならば、それは既に征服を終えていると言えるのではないだろうか。
あと、はっきり言って人間側もやる気がない。アリアハン周辺のモンスターが弱いからとはいえ、売っている物が貧弱すぎる。ひのきの棒なんぞその辺で拾えるだろう。国交が盛んならば、どこの国でももっと良いものが買えてもいいはずである。アリアハンの王はロマリアから鋼の剣を輸入しようとか考えないのだろうか。まあ、周辺のモンスターが貧しいので自ずと収入は少なくなり、経済的に他国よりも劣っていたのかもしれないが。これならば、人類の未来を背負って立つ若き勇者に渡すお小遣いや装備品がゴミ同然なのも納得がいく。



というわけで、魔王に何が足りなかったかっつうと部下とのコミュニケーションかな。末端のスライムに至るまで報・連・相を徹底させておけばアリアハンから生まれた勇者が成長する前に対処できたはず。あと、ルーラを使えるモンスターの雇用か。