絵描きの気持ち

無断転載の件のときにうまく書けなかったので今書く

簡単にまとめるなら『自分が好きなものを周りの人も好きだと思ってくれていると、自分自身が肯定された気持ちになる』ってことです。

http://m-s-r.sakura.ne.jp/2008/01/post_88.html

まずここから。転載側の言い分というか、気持ちとしてこういうのが根底にあるのはわかってた。けど、明言する人が少なかったのであえてスルーしてた。
でまあ、簡単に言うと「褒められたい」欲求があるわけじゃないんですか。あえて叱られたくて無断転載してるわけじゃないと。
これがあるのなら尚判って欲しいんだけど、絵描きだって「褒められたい」から絵をアップロードしているという部分があるんですよ。「絵を見られるという欲求が満たせるんなら転載のでもいいじゃねーか」って意見があったけど、ただ見られればいいってもんじゃない。本当は感想をメールで送ってくれれば嬉しいんだけど、わざわざそんな事をする人も少ない。「アクセスが増えたからまあ、いいか…」みたいな感じなんですよ、全員そうとはいわないけど。で、転載によって最後の頼みの綱であるアクセス数まで奪われて反応なくなったら本当に寂しいんだ。
「お前すげーな」って言われたくて描いたのに、それを転載した奴が「お前すげーな」って言われてる状態。これは納得できんでしょう。


あと、二次創作でも一次創作でもいいんだけど、オフで同人活動をやっていて有償で本なんかを頒布する行為が即ち「営利」ととられてるのもなんか違うなと思ってる。
例えば印刷だけで1部あたり200円かかったとして、これを100円で売るという行為。単純には「趣味なので利益が出なくていい」ではあるんだけど、この本が売れて1部あたり100円の損になるという状態は「俺の本には-100円の価値しかないんだ…」ではなく「俺の本に100円の価値が認められた!」というすごくありがたい状態。300円で売れれば当然金銭的にも嬉しいけど、「俺の本に認められた金額」がより高いってことが単純に嬉しい。
二次創作の場合、たとえ赤字でもその中から原作者に幾ら払えって言われたら払うんじゃないかなあ(同人だけで食ってる人はどうか知らんけど)。二次創作しかやってないくせに「自分のオリジナルでも同じくらい売れるよ」とまでなめた考えでやってる奴いないだろうし、プロが作った設定・キャラの使用による底上げ効果は実感してるはず。

著作物からの報酬も重要だが「金の問題ではない」という。「著作者への尊敬の気持ちなく
『2次利用したから払いますよ』ともらうお金はうれしくない。著作者へのありがとう
の気持ちからお金を出してほしい。『誰のおかげで……』と言いたくなる」(島本さん)

http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1084742.html

島本先生が言いたいのは恐らく、二次利用の場合に「別に好きでもないけど○○が人気ジャンルだから同人誌作った、利用料として×円払います」は嬉しくないけど「○○が好きだから同人誌作った、利用料として×円払います」なら嬉しいって話じゃないかなと。
「同人売れた、嬉しかった」「好きだから同人に使われた、嬉しかった」でwin-winの関係になれるじゃんって感じで。


俺がこうだって話で、みんながみんなこうだとは言わないけど


書き忘れてた。
こういう思いがあるから、無断転載のときのコメントで「作者に直接交渉したらいいんじゃない?」的な事を書いた。絵描きに感想送るきっかけになればいいと思ったから。