彼女ほしいなぁ

と思ったのですが、何も行動をしないのはカスのすることなので行動をした。彼女を作ろうとした。
とは言っても俺は錬金術師ではないので人間を作る事はできない。だがパンなら作れる。心を込めてパンを作る事はできる。おいしいパンを〜つくろ〜♪いきてるパンを〜つくろ〜♪ってな具合にな。
しかしあんぱんまんの第一話を思い出していただきたい。あんぱんまんが動けるのはジャムおじさんとバタコさんが心を込めてパンを作ったからではない。あんぱんまんとなるパンを焼いている時、煙突に流れ星が落ちてきたためあんぱんまんに命が吹き込まれたのだ。
困った、俺の家には煙突なんてない。煙突がないと困るのはあんぱんまんだけではない、サンタさんもだ。煙突がない家にはサンタさんはどうやって来るの?答えは窓からだ。トランクに入ったサンタさんが窓をぶち破って入ってくるのだ。
つまり、流れ星が窓をぶち破ってオーブンに飛び込めば晴れてあんぱんまん誕生というわけだ。どういうルートで流れ星が飛来すればオーブンに飛び込むかを考えてみよう。
窓枠の上辺からオーブンまでの角度はおよそ5度といったところだ。流れ星というものは、地球の公転軌道上に浮遊している彗星の塵の中に地球が突っ込むことにより発生するものと聞いた事がある。ならば流れ星は地球の公転面、移動方向に対して平行に落ちてくる事になり、深夜0時に見える流れ星は空を横切る動きをすることになる。この動きがもっと地表面の近くで起きれば見事オーブンに命中となるわけだが、実際はそうではない。地球の重力圏に入った後の重力加速度も考慮にいれなくてはならない。地球の引力に引かれて地表面に落下する動きも加わるのだ。
また、地表面に対して垂直に落下するのと水平に落下するのとでは、大気中を横切る長さに大きな違いがある。後者の場合、大気中を横切る長さが非常に長いため、落下する流れ星が途中で燃え尽きてしまうのだろう。つまり大気中を横切りオーブンに命中するにはかなり巨大な隕石であることが肝要である。
また、大気中を横切る長さが長いということはつまり重力圏を横切る長さも長いということだ。重力の影響を受ける時間が長ければ長いほど、空気抵抗を受ける時間が長ければ長いほど軌道は歪む。正確に計算したわけではないが、公転の軌道に対して平行に隕石が入射した場合、いかなる位置から入射しようとどんなに大きな隕石であろうと地表面に対してほぼ水平に落下するのは不可能である。
つまり、一般的な流れ星に類する物(=宇宙空間に浮遊する彗星の塵)が地球に落下しても窓からオーブンには命中しないということである。窓からオーブンに命中するためには彗星など移動している天体が地球の軌道と交差した軌道を持ち、地球と絶妙な角度で(燃え尽きつつ)衝突する必要がある。これは即ち煙突のない家のオーブンに流れ星が落下することは不可能であることを意味する。
対して煙突のあるオーブンに流れ星が落下するのは簡単である。地球が交差する彗星の塵に少し大きめの塵が混ざっていればいいだけの話だ。あんぱんまんにカレーパンマンしょくぱんまん等多くの兄弟がいることも頷ける。
つまりやなせたかしは天才ってことだ。

補足

「あんぱんまんにカレーパンマンしょくぱんまん等多くの兄弟がいることも頷ける」とか書いたけど、カレーパンマンしょくぱんまんは流れ星によって誕生したのではないはず。
第一話であんぱんまんが生まれたとき、ジャムおじさんやバタコさんは驚いていた。つまりあの方法で本当に生きてるパンが生まれるとは思っていなかったのだ。しかし、カレーパンマンしょくぱんまんはあんぱんまんの兄であるという事を初登場の時に説明していた記憶がある。これはつまり別の方法で生まれたということだろう。
流れ星が煙突にポイポイ落ちてくる事と兄弟が多い事は別の話であると考えた方がよさそうだ。